あんかけが書く

かきたいことをかきます。

11つめのすき『攻略本』

 ぼくは昔から、勉強を進んでするような人間ではなかった。面白いところを見出すことはできなかったのだろう。小学生のぼくは外でキャッキャと遊び、拾った木の枝をブンブン振り回して喜ぶような子供だった。友達と鬼ごっこでもしていた方が楽しかった。

 中学生になり、外で遊ぶことはほぼなくなった。外で遊ぶような年でもないうえに、走り回るのは部活で事足りた。だからといって勉強時間が増えたわけではない。次はゲームの時間が増えていた。ポケモンブラックホワイトが発売され、動くドット絵に感動したり、モンハンP3で初めてPSPに触り解像度に驚いた。

 もちろん親からはゲームしすぎるなと注意されていた。父方のばあさんから「あんたの父ちゃんもあんたくらいのときはファミコン(本当にファミコン)でずっとゲームしていた」と聞いていたため、父親から「勉強しろ」と言われても「じゃあこの年の頃勉強したのか?」と返してひっこんでもらっていた。母親はそんなことはなく、むしろゲーム反対派だったため、WiiのACアダプタやDS本体を没収された。

 それでも勉強はしたくないため、買ってもらっていた攻略本でゲーム欲を抑えていた。当時はポケモンDP公式全国大図鑑と星のカービィ鏡の大迷宮まわるメイドインワリオの3冊を持っていた(ポケモンエメラルドの攻略本もあったが今のところ部屋から発掘されていない)。それらをひたすら回し読みしていたのだ。
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 今時の子供達はゲームで詰んだ時はググってwikiでも見ているのかもしれない。そのwikiがぼくにとっては攻略本だった。まわるメイドインワリオの攻略本は本当に興味本位だったのだろうけれども、鏡の大迷宮は読むまでかなりぐるぐると回って苦戦していた記憶がある。ポケモン図鑑は本当に当時全ての490種の覚えるわざ、進化ルートの他にも存在する道具やわざ一覧が載っていた。「こんなに楽しいものがあって良いのか」とBW発売後もたまに読んでいた。

確かここの51が最後の宝箱だった
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 攻略本のマップは、まさに宝島への地図と言えるようなわくわく感があった。大抵、クリアしてから見直すことが多いため、思い出のアルバムのような一面もあった。各マップを見ながら開発者に怒ったり、別ルートがあったとまた発見したり………。掃除をしながら出てきたため、なんとなくパラパラとめくると記憶が湧いてきた。いのちのたまはハードマウンテンに落ちていて、まわるメイドインワリオのラストはGBASPを振って踊った。懐かしい。

 

 もう一つの攻略本の楽しみ方として、公式から出た攻略本には本編にあまりない立ち絵がある。公式サイトに行けばあるのかもしれないが、攻略本に載っていることに意味がある。ゲームの進行と共に何かしらの絵を見て情景を想像するのもよいのだ。

 例えば、手元にSFCDQ6の公式攻略本がある。これも読みすぎて袋とじの世界地図がボロくなった。これにはダンジョンマップと共に宝箱の数などが書いてある。他にも町の紹介文や店のデータなどがあるのだが、図が多い分多少の隙間ができる。この間を埋めるのがイラストだ。これもまた面白い。

 

そんなに賑わってなかっただろ
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ミレーユそんな表情するんか
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 ドット絵で表現しきれなかったキャラクターの表情が出ているのがなにより良い。テキストだけだとクールな姉さんだと思っていたミレーユも少し印象が変わる。これらをもとに、馬車内のやりとりを妄想するのもまた一つの楽しみだった。

 

 最近ではネット上にいくらでも攻略サイトがあるため、攻略本も売り上げがあまり伸びないという。たまには、お気に入りのゲームの攻略本を買ってみてはどうだろうか。プレイし終えた少し前のものでもいい。ゲームを遊ばなくともゲームの世界に入り込める、魔法のアイテムとして持っておくのをおすすめしよう。