幼少期から「マンガ」といえばじいさんの家にあるものだった。なぜかじいさんが大量にマンガを集めていて、家の至るところにマンガが置いてあった。あまりの量に家中のマンガを整理したが、具体的な数はわからなかった。大きめのカラーボックス15コ分ほどと押入れに7割くらいの収納を要した。
あるものはとりあえず読む人間であるため、幼少期から読むマンガは少し年代がズレている。バトル漫画は幽☆遊☆白書にドラゴンボール、ギャグ漫画ならついでにとんちんかんとハイスクール奇面組だ。あとおぼっちゃまくん。あさりちゃんは何に入るのか。
その山でひときわ存在感を放つのが、かの名作「ドラえもん」である。説明不要の有名作品だろう。
ドラえもん単行本がじいさんの家にはそこそこ揃っていた。小学生の頃は未来の技術に夢を馳せ、わくわくしていた(今となっては実現していそうなものがよくあるが)。少し前に読んでみたが、「もしもボックスでやりたいこと」「石ころぼうしはモーテン星の上位互換ではないのか?」などと浮かんでしまった。余計なことを考える大人になってしまったのだろうか。
中でも特にすきな単行本が2巻。すき過ぎて持ち出してきた。
あの学生時代欲しくてたまらなかったアンキパン、「恐竜狩り」などと耳を疑うワードが飛ぶ恐竜ハンター、そして人気の高い「ぼくの生まれた日」が揃っている。この巻の話はどれもおすすめだ。
ちなみに、すきな話だとスネ夫の無敵砲台とかのび太の重力が横向きになるやつ(名前忘れた)とか天井うらの宇宙戦争とか長編だけどのび太とブリキの迷宮とか。天井うらの宇宙戦争はアニメ版も面白い。
これらのストーリーを形作るのが「ひみつ道具」だ。ひみつ道具はどれも便利(使いみちのわからないものもある)で、「それを使ってこんなことをしよう」とのび太が画策するところからたいてい話は始まる。
こののび太の発想もまた天才で、いたずら、特にドラえもんから逃げるために使う場面には一瞬で実行に移す度胸もある。こういう遊びの才能を持つキャラクターはかなりすきだ。
総称してしまえばドラえもんの設定、登場キャラクター、ひみつ道具、ストーリー、トーンなどなど、ほとんどがすきなところである。
未だにじいさんの残したマンガ群を読むが、必ずドラえもんは欠かせない。いつまでもドラえもんを楽しめる少年の心でいたいものである。