自分が死ぬほどすきなラノベ、『生徒会の一存』シリーズが10周年を迎えた。非常にめでたいが、少なからず自分を自分たらしめるモノにここまでの年月が経っていると思うと少しつらい。年をとったものだ。
中学の頃、先輩に勧められるまま図書館で『一存』を借りた。おそらく初めて読んだラノベである。それまでは星新一のショートショートとかを漁っていたはずだ。
今までの非日常な舞台から一転、校舎の片隅の小さな教室で5人が喋るだけの物語。『生徒会の一存』はただそれだけで完結している。大きな出来事はほとんど無く、登場人物の掛け合いだけでテンポ良く進むのも今思えばすごい。
番外編では生徒会室を出て日常的な非日常を感じる。あまりにも生徒会室にいるため、外の話は新鮮である。こちらもメンバーの様子はそう変わっていないうえ、外にいる以上何かしらの出来事がある。こちらも同じように楽しめる。
メインの登場人物も個性的で尖っている。ちっこい会長、ドSで怪しげな書記、引きこもりオタクの会計、フィジカルお化けのツンデレ副会長、そして完璧人間副会長(主人公)である。
ぼく自身の趣味で言うならツンデレ副会長の椎名深夏………。いやでもいつもはキリッとしてるけどもきゅ回の書記紅葉知弦さんもすこ……………。
と、どのヒロインがすきかで悩みがちである。みんなすきだからこそなんとも言えないのが難しい。
そういう凡人の思考を通り越したのが主人公、杉崎鍵だ。先程書いたがやればなんでもできる上に容姿端麗とスーパーマン。口を開けば残念な軟派野郎ではあるが。
そもそもこのシリーズ、「杉崎が美少女だらけの生徒会でハーレムを作る」話である。1巻の頭からこれは出ているためネタバレでもなんでもない。これが10巻+8巻+aで続く。
ここまで書くと「主人公について聞いた瞬間になんかクソ臭漂ってきた」と思われそうだが、実際はそうではない。本当に杉崎は良い奴なのだ。生徒会に入る前のエピソードであったりとか所々にある有能ポイントを見るたびに好感度が上がる。ぼくの中では5本の指に入るくらいすきな男キャラクターである。
さて、冒頭にも書いたとおりそんな『生徒会の一存』シリーズは『一存』から10年が経つ。それを記念して、新作『生徒会の周年』が8/20に発売。買いましょう。