あんかけが書く

かきたいことをかきます。

35つめのすきなもの『献血』

 何もしなくても人が欲しがるものが出て、それで金を稼ぎ、それなりに生きるうえで必要なものと嗜好品を貰う人生を歩みたい。尻からウニが出るとか髪の毛が高級二八蕎麦になるとかである。こういう体質であるならば、オークションサイトに自分から「出た」ものを販売することで金が手に入る。

 もちろん、そんなことはありえない。もう少し現実的なラインを探す。しかし、せいぜい自分が作り出せるものは毛と爪と糞と小便である。

 

 ここで提案したいのが「献血」である。今の日本で唯一、うまい具合に交換できる(レートは良くない)のが血液だ。

 

 ぼくは献血によく行く。どれくらい行くかというと、献血センターサイドから「もう今年度は来るな」と言われるくらいである。何がぼくを献血ルームに呼び込むかはわからないが、時間があるときにはなんとなく行けるか考えてしまう。

 もらえるお菓子や飲み物はあまり興味がない。どちらかというと日用品が目当てである。

 新しく行った献血ルームレトルトカレーが貰えたことがあった。3ヶ月後、金欠で困った時に一か八かをかけて同じ献血ルームでカレーを貰おうとしたが、手に入れたのはジップロックであった。命をかけたガチャである。地域にも寄るが、景品のバリエーションとしては豊富だ。歯磨き粉、ラップ、軍手(ちょっとおしゃれ)など。これらから狙った日用品を引き当てるのは難しいのだ。この日用品ガチャは楽しみの一つかもしれない。

 

 モノがモノであるが、輸血パックに溜まる血液を眺めるのもすきだ。別にそういう趣味とかはない。ただ袋が少しずつ膨らみ、そこそこきれいな赤色だったものが黒みを帯びるのを眺める。最後は自分から出たものではあるが、「意外と血が出ても大丈夫だな」と感心してしまう。

 浴槽から水を抜く時に最後まで眺めるのと似ているかもしれない。

 

 最近は年を取ったからか、献血の後はダウナーになる。午前に献血し、壁を見つめて午後を過ごしたこともあった(カレーの回)。おっさんになって体力が落ちたが、唯一の趣味と実益を兼ねたものである。しばらくは続けたい。