あんかけが書く

かきたいことをかきます。

37つめのすきなもの『ハンドルネーム』

 マニアとして生きる上ではハンドルネームは欠かせない。リアルの世界を生きる自分と自分のすきなものの世界に浸る自分は別物である。勤めている場所で「あんかけさん!!!」と呼ばれても、なんと応えていいかわからない。複雑な気持ちである。

 今の「あんかけ」なる名前はおそらく3年目である。何人かの方には理由もない嘘をついてしまった記憶があるが、この名前がついた経緯は単純だ。前の名前から変えようとした時、友人とフードコートで話しつつ適当に目についたのが「あんかけラーメン」だっただけである。それ以降長く「あんかけ」を名乗っている。愛着もわいた。

 

 最近ではゲームはオンラインが多くなり、プレイヤーネームが必要となった。「ゆうた」など実名でも良いが、ここでも自分で考えた名前がつけられることが多い。格好良く英数字で記号としてまとめたり、日本語ではあるものの所見で意味がわからないものであったりするものをよく見る。

 たまに、これらの名前から強い、上手いと雰囲気を感じる。別にそれは直感であり、確実に当たるわけではない。例を挙げるなら

  • 食べ物系の名前はつよい………「たまごやき」
  • 短めのローマ字つづりはつよい………「gokiB」
  • キャラ名を冠する名前はそのキャラを使わない………「チャージャーマン」(スシコラ持ち)
  • ひらがなの外来語は要注意………「すたんぷ」

など。個人的な感覚である。名前から受ける印象で戦う前に心が揺さぶられるのだ。そういう意味でもハンドルネームは重要かもしれない。

 

 これらの名前はオンラインだけでなく、実際の会合、すなわちオフ会でも用いられる。これまたよくわからない自己紹介が面白い。

「どうも、あんかけと言います。」

「私は脱法白米販売店です。」(架空の人物)

「あの脱法白米販売店さんですか、Twitterいつも見てます」

「いやー恥ずかしいですね」

といった具合である。現実ではありえない文字列に敬称を付け、名前として扱う。この空間に漂う不思議な雰囲気がすきである。この時、実名やその人物に関する情報はほとんどないのだ。しかし、友好的な関係を築くことはできる。

 ただし、困ることもある。「ウメハラ FIGHTING GAMERS!」という格ゲーを題材にした漫画には「ゲーセン仲間が事故を起こして入院したため、見舞いに駆けつけようとするが、名前を知らないために病室がわからない」というシーンがある。現実にも、もし「脱法白米販売店さん」に何かが起きても、ぼくがそれを知る術は無い。ハンドルネームと趣味のつながりから始まるものである関係は、こういった難しい問題に遭うかもしれない。

 

 とはいえ、ぼくは未だに本名を知らない人とも毎晩ゲームをする。何かを通じて仲良くなれることは間違いではないのだ。今まで出会った方、これから出会う方と(もっと)仲良くなりたいな、という願いを込めて今回の記事は終わる。