あんかけが書く

かきたいことをかきます。

痴漢に遭った話

 今回はネタにするような話ではないが、聞いてほしい話だったため、ここに書く。何があったかと言えばタイトルの通りである。都会に移り住んでから長く経った気がするが、痴漢に遭ったのは初めてである。

 

 今朝はいつもより早く出なければいけないことを忘れて若干遅刻した。いつもと乗る電車が違う上、移動のために降り口も変えたかったため、号車も違うところに乗った。いつもの通り道のくせに円も縁もない箇所があるとは、電車とはかくも不思議なものである。

 

 電車が到着し、視界に入ったのは満員も満員、田舎から出たぼくが初めて見るような分厚い人の壁が立ちはだかるドア前エリア。「いやこれは乗れんやろ」と見逃そうと思ったが周りのおっさん5、6人はグイグイと体を押し込み乗り込んでしまう。我が目を疑う光景だったが、そこになんとか身体を隙間に入れ、乗車には成功した。

 あまりの窮屈さ、足の置き場のなさに一度足の場所を変えようとしたが最後、ぼくは片足立ちのままとなってしまった。もしあのとき急停車があったらすっ転んでいた。

 

 一本遅れだがなんとか間に合いそうだと安心したのも束の間、腰回りに違和感が。なにやらがっしりぼくの腰を掴んでいるのだ。


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 スリかと思い財布と鍵を確認。スマホはポケットだが、鍵と財布は鞄の中にあり、鞄はこうして前に抱えている。ヤツの狙いはスマホであろうか。鞄を少し下へ詰め財布の入ったポケットをガード。ひとまず安心である。

 

 と思いきやヤツは何も入ってない尻ポケット周りを触る。「ガハハ!!!そこにはコンビニのレシートしかない!!!!そっちはスカだ!!!!!」と笑っていたがどうやら様子がおかしい。無限に尻を触るのだ。手のひらで握るように。

 ここでぼくは考えを変える。「たまたま手がそこに行ってしまったんだろう、俺のケツでも味わってくれたまえ」と余裕を持つ。なんとも器のデカい男である。

 たっぷり1駅分ケツを撫でたヤツは人の動きを利用して手を移動させる。これでケツの違和感から逃れられると思ったのも一瞬。次の狙いはちんこであった。あろうことかヤツは俺の竿を牛の乳搾りでもするかのようにつまんできたのである。確信犯なのだ。

 流石にぼくも恐怖した。今までに2回ほど尻を触られる経験はあったがちんこに手を出すやつは初めてである。顔を一瞥したが普通の好みでもないリーマンのおっさんである。それも真顔の。無表情の。

 ぼくは本当にまずい状況になると三人称視点に考え始める癖(?)がある。俺はもうすぐ降りるがこのおっさんはいつまでいるんだ?いつまで俺のちんこは揉まれ続けるんだ?どうしてこいつは真顔でちんこを触り続けられるんだ???頭の中でぐるぐると周り、再度状況の異常さに恐怖した。

 愚息は精神と反対に膨らみ始める。これではヤツを喜ばせるだけである。助けてくれ。思いついたのは横にいる車掌室の車掌さんに口パクでHELPを出すことであった。「た、す、け、て」と窓を叩きつつ口を動かすもなんの反応もなかった。悲しい。絶望するしかなかった。逃げようにも人で動けない。身体の向きも変えられない。このままヤツに好きなように弄ばれるしかないのだ。非常に悔しい。

 

 ただただヤツに俺の魔羅を堪能されながら、愛書「ゴールデンスランバー」の一文が思い浮かんだ。『痴漢は死ね。』『殺人、盗みはどうしてもしなければいけないかもしれないが、仕方なく痴漢する、という場面は無い。だからこそ痴漢は悪である』(こんなニュアンスの文)。ああ、確かにその通りである。自分は男でも女でも性的対象に見れる人間であるが、痴漢という押しつけは好ましくない。ただ快感もなく相手を不快にさせるだけである。痴漢はなんとしても良くないものであると認識できた。

 この話は自分の好意の押し付けにも通ずるのだろうか。なんとも耳が痛い。

 

 ガッツリちんこを扱かれながら降車駅に。恐怖と遅刻への焦りでそそくさとその場を後にした。今思えば腹パンして駅員に突き出すべきであった。

 次の被害者は顔面にパンチを入れてから警察に突き出してやってほしい。これ以上悲しい被害者を増やしてはならない。