あんかけが書く

かきたいことをかきます。

ゲームについて思うこと 6 『ゲームで遊ぼう』

 自分は10代~40代で平均を取った場合、ビデオゲームの腕前は真ん中より上に来るだろうと自負している。世の中にビデオゲームはごまんとあるわけで、プレイしたことがないゲームもある。それでも、道端の適当な人を数人捕まえて何かしらのゲームで競ええば、上位にいられると思っている。

 自分に何が得意か、と問われれば多分「単調な作業かゲームです」と言う。実際、他に優れた点もないわけで、一番長いこと触っているものは余程でない限りそれなりにできるはずである。他の話で言うなら長距離走がどれだけ得意か、みたいなものだ。ある人が平均の身体能力を持ち、ジョギングが好きなら、多分その人は長距離走が得意なはずだ。

 

 で、ぼくがゲームを遊び始めて十何年、なんと「Esports」という言葉が日本にやってきた。『対戦ゲームも人と人との技術や熱意のぶつかり合いだ!』という考えの元、スポーツ競技と同類に扱おうというのだ。面白い試みである。ぼくとしては、ファミコン世代がちょっとだけ思い出して話題にしようとしたところを、本気でゲームしたいマン達がよいせよいせと担ぎ上げようとしているようなものだと考えている。

 ぼくは一応Esportsは広まってほしいという立場である。今まで多くの人が見向きもしなかったゲームの面白さだとか上手い人たちの努力だとかが日の目を浴びるいい機会だからだ。日本は発展途上であるが、どうなるかを応援しながら見守っていきたい。

 

 日本もEsportsが広まったらどうなるのだろう。部活が他のスポーツと同類になって、Esports甲子園だとかが開催されるのだろうか。それを地上波で流したりするのだろうか。少年少女スポーツクラブの如く、幼少から親にやらされたりするのだろうか。果ては胎教としてお腹にコントローラーを載せる親さんも出るのだろうか。

 

 行き過ぎた話は置いておこう。

 

 そのうち世の中が「Esportsというものがあり、ゲームが上手いとなんかすごいらしい」という、ぼんやりとした見方をしてしまうのが怖い。思い返せばゲームに全力を尽くす、ぼくみたいな人間は少数派なのだ。今や公式から1on1対戦の場をオンラインで提供されているスマブラも、元は大人数で遊ぶゲームのはずである。

 ぼくはゲームを遊びと捉えているタイプの人間で、どちらかと言えば勝敗よりは最中に起こるおもしろアクシデントやきもちい場面を重視する。勝ちたくないというわけではないが、楽しみたいという気持ちはある。

 もし、未来の、ひょっとしたら今の少年少女がゲームに対してストイックであることを何かに強制させられるのかもしれないと思うと少しつらい。何か、というのは何でもいい。それはゲームそのものかもしれないし、周りの人間かもしれないし、世の中かもしれない。例として、スマブラの戦闘力システムなんかはそうだろう。カジュアルマッチでもあればいいのだが自分の成績が数字として評価されてしまう。

 

 どうか、ゲームの世界の入り口に入ろうと思った人はまずゲームを楽しむことを知ってほしい。テトリスでひたすら積み上げて消す面白さを知るのもいいし、Splatoonで地面を塗って陣地が広がることに喜びを見出してもいい。なんなら、RPGで世界観にのめりこむのもいい。Esportsの競技性うんぬんより前に、ゲームで楽しむことだけは忘れてはいけないと思う。

 

 「ゲームで遊ぶ」ができない時代にならぬよう願うばかりである。