あんかけが書く

かきたいことをかきます。

人になれない

 『大人になりたくないよ』なんて大人ぶっているうちに20を超えて大人になってしまった。未だに脳味噌の中はゲームとかすきなものしか詰まっていない。本当は仕事とか責任とか将来とか生き方とか小難しいものがあるべきだろうに。世間知らずの田舎のクソガキであり続けた何年かは、今になって完全に意味のないものだったと心の底から思い知った。

 

 周りの『普通の人達』はすごいことばかりしている。寝坊もしないし夜更かしもしないし仕事の時間に仕事ができる。計画という言葉の意味を知っていて、それができる。自分に目標があって、それへ努力できる。仕事以外の接点がない他人と交流ができる。愛し愛される人がいる。自分に何ができるか知っている。生きるためにと割り切って時間を使うことができる。死にたいとも思わず懸命に生きることができる。

 俺はこれらのなかのなにひとつできない。

 

 俺が俺であるためにゲームに狂っているのかもしれない。もう俺なんてものはどこかに消えていて、ゲームをしている時だけ俺になれる。俺以外の時の俺は抜け殻でしかないのだろう。そいつは誰なんだ?何なんだ?

 

 人として生きるのをやめたい。俺として生きたい。その選択をした瞬間、世界から外される。どこにも居てはいけなくて、六畳の隅でじっくり死ぬのを待つだけになる。

 

 大体、他の人間は何をどうしたら生きていこうと思えるんだ?なぜ明日へ迷わず進めるんだ?どうしてその24時間に意味があると思っているんだ?いつからこんなことを考え始めていただろう。死にたいのではなく、生きたくない。今の自分が今のままいられる手段は死ぬ以外の選択肢がない。生きるか死ぬか以外の選択肢、例えば『怖ぬ』なんて動詞があるなら、それを選んでいるかもしれない。

 

 幸せな瞬間だって確かにある。じゃあそれ以外は?布団に入って明日に怯える時間は?面白いことなんて何もないとわかっている場所へ歩く時間は?それ以外も生きていたいのか?

 

 頼むから次の眠りを最後に、二度と世界と顔を合わさせないでくれ。