こんにちは。あんかけです。
先日岩手と宮城に散歩に行ってきたのでその記録を書きます。
前の話
まだ寒かった時期、なんとなく旅行たるものをしたくなり、なんとはなしにGoogleマップを眺めていた。記憶を辿って、おおまかに行ったことのない地方について考えていると東北地方にたどり着いた。
う〜ん、東北、あまりにも知らない。伊達家最上家と津軽家がいることくらいしか知らない。それでも「なんか興味ありそうなところを見つけて繋げたら観光になるんじゃね?」と雑に施設を保存して星座のように観光ルートを作る。経路としては悪くなさそうなので余裕持って2泊予定で。なんならあまりにもゆったりした旅程なので一人読書合宿にする。
宿を取ったのも忘れつつある前日。突如メールに「予約日前のお知らせ」が届き、正気に返る。遠出しようとするといつもそうなのだけれど、「明日ほんとに遠出すんの?めんどくね?」が出る。そこにマベライのストレスで気を狂わせて無事気絶。アレよりムカつく何かは労働以外でそうそうない。
1日目
いつもより早く起きて新幹線に乗る。この前の長野の時も思ったけど、上野駅の東北&上越新幹線の新幹線ホームが深すぎる。
朝早すぎて人は少なかった。みんな寝ているのか静か。『地下鉄のザジ』を読み終える頃に目的地、北上着。

当初は「バス使えば行けるっぽいな」という予定ながら、着いてからそのバスが曜日限定であることを知る。おタクシーで失礼*1。
第一を北上にした理由はこれ。
前編・碧の仮面|『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット ゼロの秘宝』公式サイト
ポケモンSVのDLC第一弾のモデルが北上らしい。カジッチュいたし青森かな?と思ったら鬼の伝承があったりするらしい。名前もまんまなのに知らなかった。ちゃんとポケふたもある。


というわけでここへ。

着いて早々にデカい鬼面がお出迎え。圧ある。でもぽにおのお面は確かにこんな感じ。

日本のみならず世界の"鬼"の伝承とそれにまつわる祭事で使うお面の展示が多数。入口からお化け屋敷くらいのおどろおどろしい雰囲気で足がすくんだものの、「北東は鬼門と呼ばれている」に始まる展示は結構面白かった。お面には絶対に赤(朱?)が入ってくるのは染料が手に入りやすいからなのか共通認識があるのか気になる。
このまま駅に戻ろうとしたらやっぱりバスがなかったので再びタクシーに。運転手の方が同じで気まずい。
時間がありそうだったのでそのままこちらに。
この辺りの縄文〜江戸の歴史の展示があった。かなりの数の縄文・弥生土器が並んでいて良い。この区画で2000万年くらい経ってるのもおもろい。
日本史で坂上田村麻呂が東北に蝦夷なる勢力をしばきに行ったくだりも思い出した。今見ると大和が征服に行くようなもんだなと。
展示を見終えてからも北上発電車まで時間があるようだったので歩いて駅へ。もう何日か後なら桜祭り的なものがやっていたらしい。まだ咲くのは少し先らしいが。

もう少し歩くとなんか見えてしまった。
ぽにお……!!!ポケふたにもいたイシツブテは岩手の応援ポケモンで、岩繋がりでイワークということかしら。

この横にあった明らかに「梱包されたイシツブテ」が面白すぎたのでそっちに意識を持っていかれた。
どうやらこれはこのイベントの前準備だったらしい。ポケふた追加されてんのかい!!!
https://x.com/Pokemon_cojp/status/1907312040168894543?t=CPCjvwXlw9rBw6T53it14g&s=19

孤高のトイレ標識

この辺の景色、キタカミっぽい。そして川と山が揃うとどうしても地元になる。うーん地元。
ちんたら歩いて再び北上駅へ。続いてはここ。
来たぜ花巻。駅に着いて飛び込む人名文字列が宮沢賢治と大谷翔平。宮沢賢治の出身はそうとして、大谷翔平も花巻東高だった。
昼から勝負していくのがこちら。

わんこそば。「やめるまで無限に蕎麦が器にぶち込まれるシステム」という文字列だけで面白いので行ってみたいかった。通知メールが来た時に岩手と言えば、で意気込んで予約した。家族連れの方と相席なのがビビったね。1人にヨイショする人を専属でつけるよりはいいよね。
男性の平均が50〜60と聞いたのでそれくらいは食うことを目標にズルズルと食う。食うというより飲む。写真の小冊子のアドバイスは「噛むな・*2飲むな・吐くな」とあったのでその通り頑張る。10杯辺り普通のかけそば1杯と聞いて、感覚的には納得。
10杯は余裕。20杯も余裕。30杯も余裕。40杯になったとき、閾値が来た。ズドンとたまる。ペットボトルに中身を入れるときにラベルを超えてからすぐ一杯になるような、見える場所に来た。
もうちょっと入るので食う。食道に麺が張り付いている感触がある。これはまずい。"吐"は本当に良くない。無理はいかん!!!やめる!!!!というところでホームポジションに空の器を出したせいでおかわりを注がれた。蓋をして終了なのに。それも食ってなんとか終了。
結果、64杯というキリのいいのか悪いのかよくわからん数になった。相席の家族の皆さんは平均値がめちゃくちゃ高かった。俺も弱くなった。
わんこそばとの格闘が長くなったせいで行こうと思ってた目的地に行けず、明日に回す。
早めに宿に行こうとしてますが、前から知ってて看板を撮影。

花巻から釜石までの釜石線には駅にエスペラント愛称がついている。虹から始まるのいいすね。
宿のために降りた土沢駅が風情あって良い。

『銀河鉄道の夜』の始発のモデルとか。気づいたら電車乗ってる感じじゃなかったかと思ったらそうだった*3。駅入り口の看板曰く、あくまで冒頭の『銀河ステーション、銀河ステーション』と呼称された駅がここモデルらしい。
片隅の本コーナーもチラ見。微エロっぽい本あるけど大丈夫か……?

朝も早いし、蕎麦は限界まで食ってるから仕方ない。夜はどこかで食べる予定だったものの、本当に入らないので明日の昼に何かいいものを食べることにする。宮沢賢治童話集(エスペラント対訳)などを読みつつ気絶。事前に詰め込むな。
2日目
自分にしてはありえないほど早く起きて朝風呂からの朝飯スタート。朝飯でがっくら漬けなるものを食べる。現地の漬物は何処か別で食べていても、宿で書かれた名前を見てようやく名前を知りがち。大根を漬けていたが他の地域よりもしょっぱくなくて少し甘め?箸休めとしていてくれる上品な味。
ちょっとゆったりしてチェックアウト、朝の道を行く。微妙に寒いが、風が強くないおかげで悪くない。駅までの道中、平地よりも山際に家が多いのが気になった。住みやすそうな平地に家を建てるんじゃないのか。あとは建物に燃料タンクがあるのも寒い地域を感じる。
そのまま電車に乗って新花巻駅へ。
釜石線の新花巻駅の降り方がわからず、一緒に降りたおじさまと頑張って外に出る。いい人だった。
看板を見ると目的地まで1.1kmらしい。山しか見えんが。とりあえず看板に沿って歩く。地元感ある。この用水路の脇の感じ、数年前の地元。
その近くに見つけた境界標。岩手県、車のナンバーの"岩手"といい岩の字の形が気になる。

ひいこらと山道を登った先に花巻市博物館。
2日続けて博物館に行く。しかも隣の市の。なんか違いがあるかと思ったら結構違った。花巻は城があるおかげで中世以降の話がよく出てくる。参勤交代周りの話が充実していて満足。逆に明治維新の話があんまり(ほとんど)ない。この街と日本史の関わり方がわかって面白い。あと地方特有の偉人がいるのも良い。絶対教科書に出はしないだろうけど、その地域ではかなり大事なことをしている人。ほ〜ん、くらいに思いながら見るのが結構楽しい。
そのまま坂を登るとクソデカい階段が見える。
何!?!?!?!?
ながすぎ!!!!!!!!!!!!!!!
これ、階段の横に『雨ニモマケズ』が一段に一文字書いてある。特に意味もなく「あ、め、に、も、ま、け、ず、か、ぜ、に、も、ま、け、ず………」と口に出して読みながら足を動かした。昔はなんか学校で覚えさせられたせいで空で言えた気がする。記憶だともう少し短めだったはずなのに物理的に羅列を作られると結構長かった。いや長すぎる。登りきってから飲む水がありえん美味かった。
ふと横を見るとコレがある。
「君、ちょうどいい。これはこれでなかなか開けてるんだ。入ろうじゃないか。」となりそうなところを一旦置き、進む。
そしてこちらへ。
宮沢賢治の学んだ事柄を分野で紹介しつつ、それに関連する資料を展示している。本を読んだ感想も混じっているが、分野から見て自然が好きだけど、社会というものはあまり好いてないように見えた。なんか哀愁があるような。
めちゃくちゃいいなと思ったのが「告別」という教師時代に作った卒業生に宛てた詩。そうあって欲しいという強い願いが珍しく心に来た。物語性のない文章で心が動くことは多くないが、これはすごく効いた。
お前の才と人生が音を作るのだ、として思うとそう在れるのは立派なことである。青空文庫でも読めるので是非。
自分用の土産に『雨ニモマケズ』しおりを買い、またクソ長階段を降りる。足がガクガクする。
そのままこちらにお散歩。
でっかい公園と宮沢賢治作品に絡めたいくつかの展示。いや、もう少し晴れてたらもっと気持ちよく散歩できただろうに、生憎みぞれが降ってきていた。屋内の展示を見回りつつ、少々早めに退散してしまった。
夏手前くらいなら緑いっぱいで植物も生い茂る良い景観であるはず。余裕があるならその時期に来たいものである。
のこのこと山を降りるとちょうど昼飯時。そこそこにお腹が空いていたので駅前の山猫軒*4で食べることに。

ほうとう定食。写真で見るより量はある。ほうとうというと甲信越辺りのイメージがあるが、デカい小麦の麺の入った汁物という括りの食べ物はそこそこ広い範囲にあるらしい。ここのは味噌じゃなく醤油ベースだった。バカ濃い味噌文化圏の人間としては甘めで優しい。みぞれで冷えた体も温まる一杯だった。
そのまま新花巻駅から新幹線に乗る。新幹線のホームの窓から見える景色がこれだった。こういう景色を見に来てもいる。
そこからここに来たわけで。

めちゃくちゃ大都会じゃんねぇ!!!!P5Sで行ける街の一つで散歩した気にはなっていたが、仙台なめてた。P5Sの駅前のバスターミナル、デカいと思ったらちゃんとデカい。名古屋よりデカい。街としての幅がデカい。どこまで歩いても街がある。
そのまま歩いていたら城の入り口まで来た。山城まではない急さではあるものの、確実に足を重くさせる。入りやすそうな大手門から侵入を試みるとちゃんと曲がり角が多い。ここに砦もあったらしく、ここで弓矢なりを浴びせて勢いを挫くわけですね。

これを抜けるとクソデカの石垣があり、本丸となる。かの伊達政宗もこんな景色を見てたんやろなぁ……。手前の川が天然の堀になっているのがわかるのも面白い。


ずんだあんの揚げ饅頭

しばし城の展示などを堪能しつつバスで最寄り駅まで行って地下鉄で移動した。流石に一日に小さい山二つ登るほど健康体でもない。
バスを降りるとき、運転手さんに「地下鉄はB6Fと深いのでエレベーターでの移動をおすすめします」と言われた。そんなに深いのかとあえてエスカレーターで行った地下鉄が、あまりにも深くて面白かった。都営大江戸線より深い。山だから相対的に深くなるのか?

そして仙台駅から数駅手前で降りてひたすら食べ歩く。仙台っつったら牛タンやろ。

大盛り的なものを頼んだら想像の四倍はデカいのが来た。一切れがデカい。しかも人生で食べた牛タンに属するものの中で一番美味い。塩コショウベースっぽいワイルドな味付けの割にクセがない。ご飯もあと二、三杯くらい食える。一緒についているテールスープのあっさりした味が口の休憩にもなる。牛タン麦飯スープ飯牛タン飯ループまである。まだ食えるぞ!!!というところでなくなってしまった……。
でも宮城には牡蠣もある。桃鉄の宮城に収益高めの牡蠣屋があった気がする。ウーロンハイを飲みながら牡蠣を食う。牡蠣食うぞ!!!絶対!!!いっぱい!!!牡蠣食え!!!!!人生は一度きりなんだ(ドカ食い飲酒)!!!
冬というほど冬じゃないので微妙に旬を逃した気がする。でも蒸しにフライにアヒージョにいろんな牡蠣料理を堪能。日常で食うにはどんなものでも高い気がして食わない気がする。こういう時に食う。

そして締めに麺を食う。ドカ食い。
駅前まで戻る。夜でもこれだけ人がいるのは都市。
ちなみにここから少し横を見るとニンフィアがいた。変わらずにデカい声を出し続けて欲しい。
流石に酩酊かつ歩きすぎたのでこの日はこのまま宿へ。ひとっ風呂浴びて就寝。
3日目
限界で起きて朝飯を食べる。昨日の夜めちゃくちゃ食ったのに朝は朝で食う。これは太る。そのまま部屋に戻って本を読みながら気絶。チェックアウト間際に起こされてしまった。すみません。
流石に歩きすぎたせいで筋肉痛になっていたため早めに帰る。昨日見ていない方をちょっと歩いて帰ることにした。これは観光目的でなく、散歩目的の旅である。
まず散歩がてら昨日見ていなかったポケふたを目的地に。メイン通りは建物がデカい。小さくなって発泡スチロールの模型の中を歩いている気分になる。
脇に逸れて変な道も見る。ここ、夜に行ってたら2500円くらい飲み食いして隣の店に行くやつやりたかった。

仙台市の蓋はこちら。各地に散らばった友人と「ポケふたを何人かで数年かけて撮影すればそこそこの数の写真が集まるのでは」と与太話をした数日後の旅だったのでちまちまと撮影している。
荷物がデカすぎるのでのそのそと戻りつつ駅まで向かう。新幹線の券を先に見ると1時間後の指定席はかなり埋まっていた。とりあえず券は買うとして……。お土産でも買うか。買いたいものというより自宅で食いたいもの。そりゃ牛タンやろ。
改札前のお土産コーナーに牛タンが売られているのを発見。棚を見る。それと同時に近づく店員。
「何かお探しですか〜?」
牛タンに決まっている。
「ッ…牛タンっすね……」
なんかめちゃくちゃ喋られたけど全く記憶にない。これを狭い牛タンコーナーを4店で分けて客を取り合っているので棚を動く度に勧誘される。煩わしいことこの上ない。棚を移動するのに無言なのも感じ悪いので「後で来ます」と毎回言って離れる。
実家に送る用と自宅で焼く用とおつまみその他用を3店舗それぞれで買った。「後で来ます」って言う奴は大体来ない理論に反して来るのが自分である。「あっ、ホントに来てくださったんですね~」とか言われると気まずい。残りの1店舗はあんまり魅力無くて何も買わんかった。
新幹線に乗る前にこれも買った。ずんだシェイク。ずんだ関連でなんか口にしたいなとおもだたらちょうどいいものがあったのだ。新幹線に乗ってから口をつけたものの、押しすぎて口元で爆発して隣の席の人と気まずくなってしまったのだ。でもうまい。枝豆の存在感がすごい。しつこすぎない程度に枝豆がいるのだ。仙台駅ならどこでも買えるので、寄り道した時は是非飲んでみてほしいのだ。

そして新幹線で爆睡して気がつけば大宮にいた。新幹線早すぎる。
旅の終わり
今回もまあ無事に帰ってこれたけど、「一人で歩く」ことの大切さを感じた。自分しかいないからこそ、誰の為でもなく自分のしたいことをやれるようになんとか無理もする面白さが限界旅にはある。生活の120%を意味のないことに注げる豊かさを感じられるのが一人限界旅だと思う。その中で「なんかこういうことをしてもいいんだぞ」「こんな感想を持ったぞ」って自分にライン引きをして、自我を固める。これのおかげで自我を溶かそうとする世の中を流れていける。
なんか全てにおいて余裕のある豊かな時間だった気がする。無いのは金。金は本当に消し飛んだ。
なくなったものはアルコールで埋め合わせます。こんなところに地酒などが転がってて、冷凍庫には牛タンなどなどがある*5のでしばらく気持ちは抜けない。ビバ東北。

これはこれとして、明日は3月の小ネタを書く予定。作れそうなら作る。