あんかけが書く

かきたいことをかきます。

36つめのすきなもの『ミライダガッキ』

 学生の頃の話だが、ぼくは音ゲーを毎日していた時期がある。一日が終わればすぐにゲームセンターへ直行し、筐体へ100円を入れる。今の時代スマホでもクオリティの高い音ゲーはあるが、腕を動かしつつ体に振動を感じるには物足りなかった。

 

 あのゲームセンターには大抵の機種が揃っていたが、中でもお気に入りだったのは『ミライダガッキ』である。KONAMIBEMANIシリーズの一つだが、影が薄い。土日に少し人が多い時でも遊んでいるのはもじゃもじゃのにーちゃんだけだった。

 ミライダガッキは4つのタム(楽器)をリズムに合わせて叩きながらポーズを決める音ゲーである。

ミライダガッキ - Wikipedia

 バチを振りつつ手を上に上げたりするゲームのくせに、筐体据え置きのバチが電気マッサージ器かと思うほどに重いため、自前でドラムスティックを用意していた。

 動きはそれなりに大きいため、人が多い中遊ぶには勇気がいる。ただ、田舎の夕方のゲームセンターにはほとんど人はおらず、メダルゲームに興じるご老人が何人か、という客入りであった。だからこそ周りの目を気にせずこのゲームに入り込めたのだろう。

 

 結局このゲームはオフライン稼働となり、実質コナミから見放されてしまった。そんなゲームの何が良かったかというと操作が単純だったのだ。同時にすきだった音ゲーサウンドボルテックスやbeatmania ⅱDXだったのもあり、箸休めにはちょうどよかった。ゲーム自体も他の音ゲーに比べれば易しいものであると思う(譜面と曲によるが)。1人でやるのはもちろん、初心者2人がタムを2つずつ使って和気藹々と遊ぶのにも向いている。

 譜面そのものはDDRの譜面をミライダガッキへ流用したようなものも多かった。もちろん、手でやる分簡単ではある。

 

 ぼくがお気に入りだった曲はHYENAと恋する宇宙戦争だ。HYENAは曲から容易に想像できるような縦連打と交互連打(トリル)がすべてである。あの辺りのスコアを詰めようとして土日にゲームセンターへ籠もったが、視線と腕の痛さに負けてDDRへ逃げた。降ってくるオブジェクトがデカイのもあって、何回叩けばいいかわかりにくいのも難度上昇の原因だろう。

 宇宙戦争は乱打譜面であった。そこまで難しくはなく手が動きやすい配置は何度遊んでも面白い。特に「まだまだ負けないんだから〜〜〜〜」辺りは「ここを叩くために生きている」という満足感があってすきだ。叩きやすいながらも最高難易度の10である事が満足感を増加させる。こちらも腕の疲労と電波曲による目立ちっぷりでポッ拳へ逃げた。

 

 そんな思い出の詰まったミライダガッキは、ある日突然地元のゲーセンからなくなった。いつものように遊ぼうとしたら筐体がないのだ。店員さんにも聞いたが、「もうここにありません」と言われたのは死刑宣告にも近かった。よほどあそこでは遊ぶ人が少なかったのだろう。もっと自分がお金を注げばよかった。

 

 都内、もしくは関東地区にミライダガッキを見つけた方はご一報ください。よければ一緒に遊びましょう。

ゲームについて思うこと 『RPGの面白さ』

 前に書いたことがあるかもしれない。どこかで重複した内容があったら教えて下さい。

 

 RPGにはよくある話。誇張して書くと「ただストーリーをなぞるゲームに面白さはあるの?」という意見をたまに見る。

 

 オクトパストラベラーのレベリングをしながら思ったことをたらたらと書く。「ストーリーはすきだけどRPGというジャンルがあまりすきではない」という考え方の方にちょっとでも「ほう」と思わせられればいいな、くらいに思って書く。

 

 オフラインRPGは極端に言ってしまえばおつかいの繰り返しである。村の祭りのために隣町のかんむりを買ってきてほしい、お告げの通りに旅に出てみる、大きな国の兵士を目指す………。これらの行動にプレイヤーの意志はない。

 大きなストーリーにプレイヤーはなんの影響も及ぼさない。どれだけ頑張ってもパパスは「ぬわーーーーーっ!!!!」する。最近のゲームはそういった運命を変えられるものもあるが、オーソドックスなものはあまりできない。

 大筋の話に関与できない悲しさはある。これでは小説を読んでいるのと変わらないのだ。

 

 しかし、それらのイベントにどう立ち向かったかは誰もが違うはずである。

 これを読んでいるあなたはパパスを救うために何度も立ち向かった人?すべてを諦めて「にげる」を連打した?もしくは「ひとしこのみ」でステータスをカンストさせ勝ってしまった?

 人それぞれの進め方の結果、イベント後の感想もまた違う。この積み重ねが自分だけの話になると思う。

 

 ぼくも大していろんなゲームをやっているわけではないため、あまり良い例が見つからないが、ポケモンは今まで書いた要素が栄える(RPGとは別のジャンルかもしれないが)。自分の相棒と共に旅を続けるこのゲームには、キャラクターに愛着が湧きやすい。

 赤緑(FRRG)は最初にヒトカゲを選んだ。初っ端からニビジムで何度も負けたが、メタルクローで撃破。ハナダジムではラッタ、ピジョンで頑張るもののみずのはどうの混乱でやられる。どうしたものかと考えながらナゾノクサに出会う。

 などとジムに限って書いてもある程度は思い出せる。それだけ、どこで苦労してどこが楽しかったのか覚えているのだろう。思い出である。

 このヒトカゲは無事に進化し、何代目かの子孫と旅をしている。各バージョンに1体はいるはずだ。ヒトカゲリザードリザードンに進化させる度に初めての旅を思い出してしまう。

 

 RPGはロールプレイをするゲームなのだ。主人公、キャラクターになりきって1つの人生として楽しむのも悪くない。

35つめのすきなもの『献血』

 何もしなくても人が欲しがるものが出て、それで金を稼ぎ、それなりに生きるうえで必要なものと嗜好品を貰う人生を歩みたい。尻からウニが出るとか髪の毛が高級二八蕎麦になるとかである。こういう体質であるならば、オークションサイトに自分から「出た」ものを販売することで金が手に入る。

 もちろん、そんなことはありえない。もう少し現実的なラインを探す。しかし、せいぜい自分が作り出せるものは毛と爪と糞と小便である。

 

 ここで提案したいのが「献血」である。今の日本で唯一、うまい具合に交換できる(レートは良くない)のが血液だ。

 

 ぼくは献血によく行く。どれくらい行くかというと、献血センターサイドから「もう今年度は来るな」と言われるくらいである。何がぼくを献血ルームに呼び込むかはわからないが、時間があるときにはなんとなく行けるか考えてしまう。

 もらえるお菓子や飲み物はあまり興味がない。どちらかというと日用品が目当てである。

 新しく行った献血ルームレトルトカレーが貰えたことがあった。3ヶ月後、金欠で困った時に一か八かをかけて同じ献血ルームでカレーを貰おうとしたが、手に入れたのはジップロックであった。命をかけたガチャである。地域にも寄るが、景品のバリエーションとしては豊富だ。歯磨き粉、ラップ、軍手(ちょっとおしゃれ)など。これらから狙った日用品を引き当てるのは難しいのだ。この日用品ガチャは楽しみの一つかもしれない。

 

 モノがモノであるが、輸血パックに溜まる血液を眺めるのもすきだ。別にそういう趣味とかはない。ただ袋が少しずつ膨らみ、そこそこきれいな赤色だったものが黒みを帯びるのを眺める。最後は自分から出たものではあるが、「意外と血が出ても大丈夫だな」と感心してしまう。

 浴槽から水を抜く時に最後まで眺めるのと似ているかもしれない。

 

 最近は年を取ったからか、献血の後はダウナーになる。午前に献血し、壁を見つめて午後を過ごしたこともあった(カレーの回)。おっさんになって体力が落ちたが、唯一の趣味と実益を兼ねたものである。しばらくは続けたい。

息継ぎ

 最近急にペースが落ちた。ぼくのTwitterは知らないが、このブログだけ知っている、みたいな方(耳に住むダンゴムシくらいいない)は「あいつも書くのをやめたか」とか思っていそうである。

 

 すきなものについてダラダラ書くこの行為は、自分にとって息継ぎである。嫌な日常と人混みに溺れながらふと顔を上げ自分の世界を見渡せる時間は悪くない。逆に、そのまま溺れてしまえばぼくは終わり。二度と浮かぶことはないと思う。

 

 この記事はそんな一瞬。次は夏らしく浮輪で浮きつつのんびり書きたいものだ。

34つめのすきなもの『生徒会の一存シリーズ』

 自分が死ぬほどすきなラノベ、『生徒会の一存』シリーズが10周年を迎えた。非常にめでたいが、少なからず自分を自分たらしめるモノにここまでの年月が経っていると思うと少しつらい。年をとったものだ。

 

 中学の頃、先輩に勧められるまま図書館で『一存』を借りた。おそらく初めて読んだラノベである。それまでは星新一ショートショートとかを漁っていたはずだ。

 今までの非日常な舞台から一転、校舎の片隅の小さな教室で5人が喋るだけの物語。『生徒会の一存』はただそれだけで完結している。大きな出来事はほとんど無く、登場人物の掛け合いだけでテンポ良く進むのも今思えばすごい。

 番外編では生徒会室を出て日常的な非日常を感じる。あまりにも生徒会室にいるため、外の話は新鮮である。こちらもメンバーの様子はそう変わっていないうえ、外にいる以上何かしらの出来事がある。こちらも同じように楽しめる。

 

 メインの登場人物も個性的で尖っている。ちっこい会長、ドSで怪しげな書記、引きこもりオタクの会計、フィジカルお化けのツンデレ副会長、そして完璧人間副会長(主人公)である。

 ぼく自身の趣味で言うならツンデレ副会長の椎名深夏………。いやでもいつもはキリッとしてるけどもきゅ回の書記紅葉知弦さんもすこ……………。

 と、どのヒロインがすきかで悩みがちである。みんなすきだからこそなんとも言えないのが難しい。

 

 そういう凡人の思考を通り越したのが主人公、杉崎鍵だ。先程書いたがやればなんでもできる上に容姿端麗とスーパーマン。口を開けば残念な軟派野郎ではあるが。

 そもそもこのシリーズ、「杉崎が美少女だらけの生徒会でハーレムを作る」話である。1巻の頭からこれは出ているためネタバレでもなんでもない。これが10巻+8巻+aで続く。

 ここまで書くと「主人公について聞いた瞬間になんかクソ臭漂ってきた」と思われそうだが、実際はそうではない。本当に杉崎は良い奴なのだ。生徒会に入る前のエピソードであったりとか所々にある有能ポイントを見るたびに好感度が上がる。ぼくの中では5本の指に入るくらいすきな男キャラクターである。

 

 さて、冒頭にも書いたとおりそんな『生徒会の一存』シリーズは『一存』から10年が経つ。それを記念して、新作『生徒会の周年』が8/20に発売。買いましょう。

生徒会の周年 碧陽学園生徒会黙示録9 葵 せきな:ライトノベル | KADOKAWA