あんかけが書く

かきたいことをかきます。

はっぴーにゅーいやー

 正月なので都市部にこびりつく若者らしく帰省するが、その目的は「帰ること」なので、実家に来たらやることがない。適当に掃除を手伝い、実家に置きっぱなしのモノをキャリーバッグに詰め、年末の大きいことは終わり。親戚の家を回ってちょっと挨拶と飯食って三が日を過ごす。

 もうしばらく休みが続いてしまうので、今日から暇である。やることがない、という言葉が比喩ではないほどやることがない。

 いや、言葉が足りない。車社会のこの街で、乗れる車を持っていない自分にはやることがない。そもそも数ヶ月で何回か壁かなんかにぶつけたペーパーゴールド免許に運転は無理だった。自転車ならあるが、自転車で行ける範囲もそう変わらない。スーパーか商店街を破壊し終えたショッピングモールが増えるくらいである。

 

 ここ2-3年、コロナで帰って来るなとか言われた時期もあり、帰省の頻度が下がった。都市部生活を満喫しすぎた結果、地元の"平穏さ"に新鮮味を感じるまでになった。枯れ草ばかりの用水路の傍にがっかりしながらも、寒さに耐えるいくらかの草に喜んでいる。

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 人生の8割をここで過ごしたわけだが、なんかこう、地元は現実がつまり過ぎている。

 

 親から「爺さんが半分ボケてるしヨボヨボだから車を使わせないよう四苦八苦している」と聞いて、「もう免許返納させろ」と返していたが、車が無いと買い物すら行けないのをちゃんと見た。多分あれは放っておくと事故を起こすだろう。

 でも、車の代わりが無い。免許返納後はバスに乗れ、という自治体の意向は感じるが、長く見て*1支援される金銭は全く足りず、車の便利さを補えるほど地元のバスの交通網は良くない。藤子・F・不二雄の短編の定年退食よろしく、老人のサポートはそんなものでいいのかもしれない。

 そう話す親もまあ老いた。もう顔が老いた。年月はすごい。多分あの人達も何年かすれば同じことを悩み、あの人達の親より頼れる要素が少ないことに絶望するんじゃなかろうか。自分はここで生きられないのがわかったので行政とサービスに任せる。

 老いから目を背け、若い人はどうかと考えても、ここで育ったのが自分である。寿司とセックスとパチンコしかないここで育つことに全く良い感情を抱いていないので、これからここに住むガキに若干哀れみの目を向け、産まれてしまった命を幸せに全うさせてみせろと親である存在に生暖かい目線を送る。

 そういえば、自分が普通の人より劣ったものである話を家族の誰にもしていなかった。眼の前で飲んでいる薬も「神経系の薬」とか「ちゃんとする薬」ごまかしている。言ったとて何が起きるわけでもなく、状況が悪くなるわけでないのをわかっているので、言う予定はない。正直なことをいうと産んだことを悔いて欲しい。あなた達ほど人生は楽しくない。いや楽しいこともなくはないけど、それを優に超えるほど生きるのは面倒で辛い。また朝が来たらしい。

 

 なんの話だっけか。そう、やることがない。一応、本をと試験の教材を山ほど持ってきた。学生の頃らしく部屋にこもってなにかをする生活をする。これは別に帰省してまでやることではない。いつも通りといえばいつも通り。他人が干渉しない分、向こうの方がマシかもしれない。

 本を詰めたせいでゲームを持ち込めていない。せっかくなのでACスト6をやりたいが、それがあるゲーセンまでさっき話に出た地元バスを使うとタイミングが良くて100分とラーメン一杯くらいの運賃だった。アホらしくなってきた。

 しかし、このクソ寒い中、本を開くも勉ノートに書くも億劫なのでこうやってスマホに愚痴をこぼす。なんか去年も正月に負の感情を垂れ流していた気がする。やはり空気が合わない。

*1:生先短いだろうが