あんかけが書く

かきたいことをかきます。

2つめのすき『用水路』

 昨日はとても暖かく、普段からすれば暑い程であった。少し用があったので出掛けてみれば、道端にはたんぽぽにつくし、オオイヌノフグリや蜜がおいしい紫の花が見え、春を感じる。
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 さて、花のある『道端』。具体的にどの辺りか。ここだ。
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 道路と用水路の間の猫の額の如き広さの土がある部分だ。最近は土が落ちるからかコンクリートで埋められたりカバーで覆われてしまっているものが増えてきており、少し寂しい。また、都市部に行った時には用水路が無く、ここが恋しくなる。幼少期、そこら中を走り回り遊んでいたぼくにとってはそれほど身近なのだ。

 冒頭にもあるように、ここではどの季節にも相応の変化がある。なにも田んぼだけが風景の主役ではないのだ。脇役のカスのようなこの場所にも面白い部分はある。

 春は芽生え。日が経つにつれだんだんと緑色が増えていく。大抵の場合、あの部分は写真のようにが斜めになっている。やたら日当たりが良いので植物の発育が良いのだ。気がつけば少し背のある茎が飛び出たと思えば花が咲く。もう少し時間が経てば蝶もひらひらと現れる。

 夏には一つの生態系ができあがる。朝に横を走れば小さな虫が飛び、カエルが小虫を食べ、カエルを狙う鳥が空を舞う。用水路には藻が生えタニシが側面にこびりつき、タニシを食べようとザリガニが訪れる。夜に通れば6月頃ならホタルが見られる。月並みな生き物、風景だがねこじゃらしでカエルを釣り、スルメでザリガニを釣り、暑くなればもう少し大きくて水の綺麗な用水路で涼む。無限に遊んだ。

 秋になれば少しずつ茶色が見え始める。夕日が差し込んで山に足元を隠そうにとしているときに、田んぼの実った稲穂の黄金色と対象的に枯れていく草の茶色、その隙間から見える土の色。ふと前を見るとなかなか良い景色があった。さらに、風の音や虫の鳴く音などが加わり、耳も楽しませてくれる。

 冬は雪が降り、ひどく積もらないうちに学校へ行こうと早朝に歩く。道に張った氷に足を取られないよう、気をつけて歩く。そんな雪が降るほど寒い日の朝は霜がおりる。霜がある場所はなんとなく見ているとわかる。そこを狙って足を下ろす。あの「しゃりしゃり」とも「さくさく」ともなんとも言えない感覚がすき。正直、ここ2年で何回かやった。

 

 中途半端な田舎の人間なのでのんのんびより並みの田舎の話はできないが、普段の景色ならこれくらいの田舎がちょうど良いと思う。

 これからしばらく別の場所に移り住むが、あちらではどんな変化があるか楽しみである。