正月なので初詣に行ってきた。地元の民が行く場所はだいたいここ、みたいな場所に行った。毎年元日に行くのがウチの文化だったが、いろいろ都合があり今日となる。さすがに1/5ともなって、そこまで人が多いわけではなかった。
正月の神社仏閣その他前にはずらりと並ぶ屋台がある。崇められるものの前で商売するのも良いのか悪いのかわからない*1が、信心深くないぼくには割とどうでもいい話である。おいしいものがあればおいしく食べるのみなのだ。
並んでいるとあまり目立たないが、屋台の店名(品目?)は正面に加え左右にも書いてある。この片側は大正時代のような右から左に書かれているものがある。この感じが結構すき。ピークも過ぎ、屋台の数も少し減ったおかげで見つけられた。
要するにこういうアレである。
これは木で隠れているが「からあげ」の屋台。逆から書いて「げあらか」。
こちらは「いかやき」。「きやかい」に加えて「産名道海北」となっているのもポイントが高い。
タレがよく効いておいしかった。
この表記は漁船にある「〇〇丸」*2とか運搬用大型トラック記入の社名などもよく見かける。しかし、屋台のものと違うのは一般名詞か固有名詞かが違う。船名も社名もそれ1つを指すが、からあげやいかやきは作られるそれらすべて含めてからあげ、いかやきとなる。
なおかつ、誰もがからあげという名称は知っており、聞き馴染みがある単語だからこそ成り立つ。普段から見慣れた単語が逆に書かれていると一瞬頭が混乱してしまう。ちょっと不思議な感覚になる。
文字量が多いとこうなる。
「串かつ・どて煮」。どて煮は他の地方ではどて焼きとも言うらしい。この辺りは赤味噌で牛スジやモツを煮込んだものを指す。もちろん串かつは味噌が付く。
その屋台は「煮てど・つか串」。中央縦書きの「ビール 酒」はいつもどおり読めるのが逆順書きとのギャップを作るのが良い。
最近出てきた屋台。「グトッハズーチ(!!メルグ流韓気人大)」。おそらくハングルも逆書きになっていたりするのだろうが、さっぱりわからないのでわからない。グトッハズーチなる上級風魔法のような文字列に心が踊る。自分には読めないハングルのおかげで異世界感が非常に強い。今回の屋台看板ではかなりお気に入り。
ちなみに1度だけチーズハットグは食べたが、そもそもチーズがあまりすきではなかったのもあり2度目はしばらく無いと思っている。
他の屋台であったら面白そうだなと思ったのは「ナナバコョチ」。コョの発音不可能さとカタカナ統一が良い。2軒見つけたが、どちらもデザインが新しいのか逆書きになっているものはなかった。
どうやら日常の中に急に飛び込む既知の言語の意味不明な文字列がお気に入りらしい。かなりしょうもないものであるが、面白そうなものを見つけたい。